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 ビデオマイクロスコープのレンズを直接病変部にあてるか、油をつけガラス板で圧抵した上にレンズをあて、モニターで観察します。全く痛くありません。画像が保存できますので病変の経過を観察するのにも適します。以下は実際の拡大画像(20〜40倍)です。

色素性母斑

 @ふつうの色素性母斑(ホクロ)。

悪性黒色腫

 A下腿に生じた悪性黒色腫。いわゆる“ホクロのがん”ですが、最初から悪性のおできであり、少し大きくなったときにホクロと間違われやすく、この俗称があります。良性のホクロから悪性黒色腫が発生することは極めてまれです。@に比べ、網目のようなパターンやしみが非対称・不規則で、中央部には白っぽいシミや網目がない部位があることに注意。

基底細胞癌

 B基底細胞癌。やはりホクロと間違われやすく、中年以降の方の顔にできやすい皮膚がんの一種です。辺縁にみられるモミジの葉のようなシミは特徴の一つです。

足底色素性母斑

 C足の裏のホクロ。足の裏や手のひらでは色素のパターンがそれ以外の部位のホクロとは全く異なります。最もよくみられるのは指紋の溝に沿って、シミが濃いパターンです。

足底色素性母斑その2

 D足の裏のホクロその2。ほうきで掃いたようなシミのパターンもよくみられます。ただしこのパターンは悪性黒色腫の一部でみられることもあります。

足底の悪性黒色腫

 E足の裏の悪性黒色腫。ホクロより大きいことがまず第一にあげられますが、早期の病変では当然小さくて、肉眼ではホクロとの鑑別が難しいことがあります。シミが指紋の溝ではなく、盛り上がった部分に濃いことに注目。なお、悪性黒色腫は「ホクロのガン」と呼ばれますが、幼少時からあるホクロが悪性黒色腫に変わることは、極めてまれです。悪性黒色腫の多くは中年になって発生し、サイズがまだ小さいときにホクロと見分けがつきにくいため、この名があるようです。

角層内出血

 F角層内への出血。踵などの角層内に点状の出血をきたすと、ちょうど黒いホクロに見えることがあります。パターンがなく境界が鮮明なので容易に区別がつきます。

毛孔性紅色粃糠疹

 Gビデオマイクロスコープは皮膚の炎症性病変の正確な診断にも活躍します。この病変は毛孔性紅色粃糠疹といって、皮膚の毛穴に一致して硬い炎症性のつぶつぶが生じるまれな疾患ですが、この様子が容易に確認できます。

伝染性軟属腫

 H成人にできた水いぼ(伝染性軟属腫)。これは小児に多いウィルスの感染による病変ですが、大人に生じたときや、あまりに小さいときにはしばしば湿疹などと間違われます。ドーム状の病変の頂点がエクボのように陥凹しているので容易に確認できます。

マダニ

 Iマダニ咬症。野山や河原にいるマダニが食いついて吸血していますが、自覚症状が全くないために、小さい種類のマダニだと、ホクロが急にできたと勘違いして受診されることがよくあります。

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