紫外線療法 〜PUVA療法とナローバンドUVB療法〜
治りにくい病変に紫外線を照射し、リンパ球や皮膚の細胞の働きを抑制したり、色(メラニン)を作る細胞を刺激したりする治療です。様々な紫外線が用いられますが、当院では右図の装置でPUVA(プバ)療法とナローバンドUVB療法を行っています。前者は紫外線を吸収して効果を発揮するソラレン(Psolaren)という物質を予め皮膚に塗っておき、エネルギーの低い紫外線(UVA)をあてる方法です。後者は前処置せずにエネルギーの高い紫外線をあてますが、害のある波長域の紫外線が出ないランプ(narrow-band UVB)を使用します。時々あてただけでは効果は期待できません。疾患にもよりますが、初期は1週間に1−2回、その後も気長に行う必要があります。良くなってくると照射間隔を伸ばしていきます。以下はPUVAによる治療例です。
@皮膚の色が部分的に白くなってしまう疾患(尋常性白斑)に対して、APUVA治療2ヶ月後。B4ヶ月後。C8ヶ月後。
D異常な角化を伴う慢性の皮膚の炎症(尋常性乾癬)に対して、EPUVA治療2ヶ月後。
F他の治療でよくならない円形脱毛症の重症型に対し、GPUVA治療6ヶ月後。
H皮膚に生じたリンパ球のがんの一種(悪性リンパ腫)に対し、IPUVA治療1ヶ月後。紫外線による強い日焼けを残しているが、活動性を示す赤みはほとんど消えている。